新しい頁(ペイジ)をきりはなつとき 紙の花粉は匂ひよく立つ ~室生犀星「本」。

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こんな時だからこそ読みたい本~被災地からの手紙。

2011 - 06/21 [Tue] - 22:08

読売新聞 2011(平成23)年5月22日付 朝刊

被災地からの手紙 赤坂憲雄

「忘れない」と決めて生きる

 鯉のぼりは哀しい。それを知らずに生きてきた自分に気づいて、唇を噛んだ。
 五月の連休のころ、宮城のいくつかの被災地を歩いた。瓦礫の堆積のなかに、「がんばろう、東北」の横断幕があった。風もなく、かたわらで鯉のぼりがうなだれていた。サッカー場の芝生を剥がした土葬の墓地でも、小さな鯉のぼりを見かけた。数字だけの板の墓標の前に、お菓子が供えてある。手を合わせ、追われるように離れた。たくさんの子どもたちが津波に呑まれた小学校のわきにも、鯉のぼりがあった。
 わたしはけっして、そんな鯉のぼりのある情景を忘れない。鯉のぼりの哀しさを忘れない。わたしにできることは、ただ、忘れないと心に決めて生きてゆくことでしかない。そうして、被災地を訪ね歩こうと思う。生き延びた人々の物語に耳を澄ます。ひとつひとつ書き留める。それがやがて、鎮魂と供養の碑になることを願いながら。
 わたしたちは凜としたマコトの言葉を、ほかならぬ被災地の東北からくりかえし受け取った。東北は十分に耐えた。しかし、もう、ここらで「雨にもマケズ、風ニモマケズ」の大合唱はやめよう。「サウイフモノニ、ワタシハナリタイ」と、宮沢賢治がひそかに願ったデクノボーは、賢治のせつない夢だった。がんばらなくていい。崩れてもいい。誰もが少しずつおかしかった。日常へと戻らねばならない。

(民俗学者、福島県立博物館館長。「東北学」の概念を提唱)




読売新聞 2011(平成23)年5月29日付 朝刊

被災地からのお便り

静かな諦念から新たな希望

 大きな被害を受けた岩手、宮城の両県からもお便りが届きました。
 岩手県釜石市の旧釜石一中で避難生活をしている赤崎学さん(51)。自宅が全壊し、無事だった家族も別々の場所で暮らす生活が続くなか、宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」(新潮文庫『新編風の又三郎』など)への思いをつづってくれました。
 東北の厳しい自然の中で生まれ育った青年ブドリは科学者となり、冷害による飢饉から人びとを救うため、危険な火山の人工噴火作業に赴きます。赤崎さんは「自然の過酷さと人間の無力は、今なお東北が生きねばならない現実」とした上で、「物語の結末に、静かな諦念とそこから生まれるかすかな希望を感じる」。

 明治三陸地震が起きた1896年に現在の花巻市に誕生し昭和三陸地震の1933年に死去した賢治は科学者でもあり、生涯を通じ岩手がモチーフの理想郷を追い求めました。
「雨ニモマケズ」「銀河鉄道の夜」など多くの作品に投稿が集中し、「今、最も読み直したい作家」といえそうです。

 電気・ガス・水道がストップした日々、仙台市の関裕子さん(37)が読みたかったのは武田百合子『富士日記』(中公文庫)。「淡々とつづられる昭和40年代の日々。夫・武田泰淳との素朴で静かな暮らしに、人の営みの基本は変わらないのだと安心できる気がした」

 阪神大震災を乗り越えた兵庫県西宮市の中村三千代さん(58)は、相田みつをの遺作集『雨の日には……』(文化出版局)を推薦。「この先どうなるのだろういう不安の中、この詩集に励まされました」
雨の日には…雨の日には…
(1993/09)
相田 みつを

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メディアを通じてしか窺い知ることのできない東北の人たちの我慢強さ、謙虚さには、テレビ画面の前でひたすら敬意の念を抱くばかりです。
しかしものには限度というものがあります。東北の人たちの我慢強さに、これ以上日本政府は甘えるべきではないという苛立ちが日に日に強くなるばかりです。
 ある携帯電話会社の社長が100億円被災地に寄付すると大々的に公言しました。
けれどその発言から数ヶ月が経ちましたが、いまだ寄付金は支払われていないそうです。
寄付をするという行為は、たとえば会社の売名行為であれ、自己満足であれ、何であっても尊いものです。寄付する側の思惑など関係なく、お金はお金なのですから。
それが被災地を救うのならば有り難いことです。
しかし寄付しますという意志を発言するのも結構なことですが、ならなぜそれが「寄付した後」ではいけないのでしょうか。
「100億円寄付する」と聞いて、それを頼りに思った方もいらっしゃるでしょう。そういう東北の方たちの気持ちを安易に振り回してほしくないと、一介の主婦は思うのです。

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