新しい頁(ペイジ)をきりはなつとき 紙の花粉は匂ひよく立つ ~室生犀星「本」。

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3人目のこども。4

2006 - 10/15 [Sun] - 16:16

 フォスター・ペアレンツは宙ぶらりんの状態のまま、数日が過ぎた。
そんなときにネット書店に注文していたハードカバーの本が2冊届いた。
欲しかった本を手に取った瞬間の、ぱりっとした紙の質感とインクの匂いは堪らなく嬉しい。
そんないつもの期待感にわくわくしながら箱を開けた。
中には注文した本と一緒に、インドネシア大地震の義援金を求める広告が入っていた。


 ──驚いた。
何でこんな時期にこんなタイミングでこんな広告が届くのだろう。
今までは仮に広告が入っていても、結婚相談所や睡眠学習、雑誌の定期購読の案内なんかしか入ってこなかったのに──。

 ──やりなさい。
そう言われた気がした。
 本と一緒に同封されていた納品書の金額は4000円。
特別に意識することもなく、こうして事も無げに趣味のお金を遣うことには罪悪感の欠けらも感じないというのに、どうしてたった数千円の寄付金を出すことに私は躊躇していたのだろう。
 その晩、3人目の子供を生んだつもりでチャイルドの成長を見守りたいのだと主人に伝えた。
「やりたい。どうしてもやりたいと…!お願い!」
 頭を下げた私に、彼はどういう顔をしていたか分からない。
ただいつものように、お前がやりたいならやればいいと静かに言った。

 翌日。正式にフォスター・ペアレンツの申し込みを済ませた。
スポンサー名は最初自分の名前を書いた。しかし主人のお金から支援金を出すのだからと思い直して、夫婦名で登録してもらうようにした。
 そしていつものように朝刊に目を通していたときにユニセフのDMに理解を求める趣旨の広告が掲載されていた。
またもやこのタイミングは何なのかと自分自身に対して苦笑した。
 頭から偽物だと決めつけていたユニセフのDMは本物だった。
──少し前までの私なら、何故ユニセフがDMなんか出すのだと憤慨していただろう。
頼んでもいない不特定多数の人間にDMを出すような資金があるのなら、何故それを不幸な状態に置かれている人々に届けないのだとむかっ腹を立てていたに違いない。
けれど、今はそんな事情も理解できる。
多くの人たちに「知って」もらうことが大切なのだ。同じ地球上の遠い国で悲惨な状況にあえぐ人々がいることを「知って」そして関心を持ってもらうことが大事なのだ。
かつての私がそうであったように、無駄金だと思う人たちもいるだろう。そんなことしたって何になるんだと思う人たちもいるだろう。自分が少しばかり寄付したって世界の状況は変わりはしないと思う人たちもいるだろう──。
 けれど、それは違う。確かに明日世界は変わらないかもしれない。でもそれでも変えたいと思う人々の善意のパワーは目には見えなくても、でもいつかは確実に変わってゆくものだと信じている。
私の心のように……。

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