新しい頁(ペイジ)をきりはなつとき 紙の花粉は匂ひよく立つ ~室生犀星「本」。

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少女時代への回帰 ~追悼 氷室冴子。

2008 - 06/26 [Thu] - 11:55

ちかごろ好きだった作家さんの訃報が続いている。
コバルト文庫で一時代を築いた作家 氷室冴子さんが、
六月六日にお亡くなりになった。
享年51歳。
やはり新聞の記事で知った…。

数日後に図書館へ行くと氷室せんせいの追悼コーナーが出来ていて、
「ああ…本当だったんだな」
と、そのときになって鼻の奥がツンとした。
今まで何となくぼんやりとオブラートに包みこんでいたような感情が
これを機に溶け出したという感じ。

その後ターシャさんの訃報も続けて知ることになるのだけれど、
彼女の場合はご高齢であったので、「もしかしたら…」という心の準備はあった。
でも氷室せんせいの場合は……。
通いなれた道をぽこぽこ歩いていて、ある日何かに足下をすくわれたような感じ。
何にすくわれてしまったのか分からないまま、また立ち上がり、ぽこぽこと歩き出す。
けれど歩くほどにだんだん足に痛みが出てきて、思っていたよりダメージを受けていたのだな…と知る。

ずっと氷室作品を読み続けて来た訳ではなかった。
特別に大ファンだったという訳でもなかった。
けれど氷室作品を語るとき、セーラー服を着た自分のあの頃の情景が
ありありと甦ってきて切り離せないのも、また事実なのだ。

人はこれを「青春の1ページ」なんて言うのかもしれない…。

hs.jpg

氷室せんせいの代表作といえば、やはり「ジャパネスク・シリーズ」。
正直に言えば、このシリーズ以外に氷室作品は少ししか読んではいない。
けれど、それだけこの一作目から受け取った衝撃は凄かった。
高校一年のときだった。
別の中学から来て同じクラスになった子が「面白いよ」と言って
貸してくれたのが始まりだった。
そしてすぐに自分用を買った。
いったい何度読み返しただろう。
最終巻が発売された頃は、もう自分は働く事務員になっていたと思う。
その後、漫画化されてイラストも変わったリニューアル版が発売されたが、
自分の中の「ジャパネスク」はやはり、これ以外にはない。

P1010059.jpg

「冴子の母娘草(ハハコグサ)」
図書館の追悼コーナーから借りてきた作品。
ケッコンが女の幸せと信じ込んでいる母とケッコンしない娘との「ジンセイ イロイロ」母娘デスマッチ・バトル。
とにかくこの世代特有の「先入観」で物事も人生も全てを語り切る口の軽いお母さんに振り回されつつ、振り回されるもんかと奮闘するも結局振り回されてしまう作者の疲労困憊ぶりが哀しくも笑えるパワフル・エッセイ。
瑠璃姫は氷室先生自身だったんだナァ。
この作品の冒頭に50代で亡くなった叔父さんを悼むシーンがある。
よもやご自分も51歳の若さでお亡くなりになるなんて、誰が想像しただろう。

作家に限らず俳優や映画監督、デザイナー、モデルなど「表現者」と
呼ばれる人たちは、その肉体が無くなっても、作品は生き続ける。
永遠に。
それらは物質の世界にも存在し、また人の心の世界にも存在する。
そんな人たちの生き方を羨ましく思うと同時に、
その生きた証に触れることができた感動に、今はただ…感謝したい。



このご本の「あとがき」の日付は奇しくも六月になっている。

「お母さん、あたしの本とか、読むの」
「うん。このごろね」
「あたしのなんか読むより、もっとエラい先生の本、読みなよ。人生とかわかるようなやつ」
「いやー、このトシで人生わかっても、しょうもないわ。どうせヤヤコシイ字読むんなら、ヒトの書いたのより、まだ、おまえの書いたモンのほうがマシだァ。」

―――夢見がちな私につねに現実を直視させ、人生に対する覚悟と闘志をかきたててくれる愛すべき戦友のわが母、及びその伴侶に、そして忍耐強い友情によって私を支えてくれた編集者に、このささやかな本を捧ぐ。
一九九三年六月  氷室冴子

(「あとがき」より抜粋)

あら...

なんと!
氷室さんも亡くなったの....

ずいぶんお若いのにねぇ...
私も結構作品を持っていて、昔はよく読んだわ。

そういえば何かの対談で読んだけど、そんなに丈夫な方じゃないみたいな事を言ってたな。でも健康に気をつけた生活を送っている印象だったのだけど、ご病気かなにかで亡くなったのかしら...

ゆき姉ちゃんが書いてるエッセイは読んでないわ。ちょっと久しぶりに読んでみよう.....

あき@研修会ちゃん!

いいのよいいのよ早く着いた方がいいのよ~遅れるよりはいいのよ~。

氷室さんは肺がんだったそうです。
もうずっとお名前を聞かないな~なんて思ってはいたんだよね。
ほらよく新刊がでると新聞に出版社の広告が載るじゃない?
ああいうので全く見かけなかったからなあ。
絶筆宣言をされていた…(?)という噂もちらっと聞いたんだけど、きっと闘病生活に入られていたんだろうね。

このエッセイは文庫本にもなってるみたい。
でももう古い作品なので探すなら図書館の方が早いかもしれないわ。
いつかあきちゃんのとこでも瑠璃姫の話で盛り上がったよね。
(んん?こっちでだったっけ??)
ワタクシも久しぶりに色々と読み返したくなっちゃった。
吉野の君が出てくる巻とか…。
でも今ジャパネスク手元にないんだよね…。

氷室さん

そうなんだぁ ・・・。
亡くならはったんだぁ ・・・。

恋するなんとか、少女たち?だっけ?
彼女の作品だったかな。
こんなにお若く ・・・

素晴らしいメッセージや感情や
思い出を沢山の人々の、(現、元少女の)
心に植えつけて ・・・

逝かれたんだなぁ ・・・。

やっこちゃん!

うんうん「恋する女たち」…ね。
斉藤由貴主演で映画化されたんだよね。
なつかしい~~~。

氷室作品は「少女小説」というジャンルに分けられていたけれど、でも今こうしていい大人になって初めて読んだとしてもきっと面白いと思うな。
けれど多感な少女時代に読んだからこそますます忘れがたい存在にもなっているんだよね。

ほんとに元少女たちに切ない思い出と感動を残して逝ってしまわれたね…。

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鍵コメ 09:37ちゃん!

あら!まあ。
もしかしたらそうかもよ?
同じお坊さんかも…。
世間はせまいって言うし。

氷室せんせいはどの辺りにお住まいだったのかなあ。
エッセイに大体の場所が出てきたような気もするんだけど(覚えてない…)作家さんが多い吉祥寺あたりかしら?
ご実家は北海道だけど、やっぱり告別式は東京でなさったんだね。

鍵コメ 17:17ちゃん!

あ、そうなの?
いや、わたくしも結構遅くあるのねって思ったんだ(笑)。
ただ著名な方って、お別れ会とか別の形式でもお式をされるから、そういう関係かなって思ってたわ~。

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